- 完全バックアップ
- BACKUP/RESTOREステートメントによるバックアップと復元
- スクリプト(BACKUP/RESTORE)の生成機能
- スケジュール設定によるバックアップの定期実行
- バックアップセットとは
- ファイル名へ日付/時刻を入れる方法
- バックアップ圧縮
- トランザクションログの管理
完全バックアップ
バックアップ
- 「SQLServer Management Studio」を起動
- 対象のDBを右クリックし「タスク」「バックアップ」を選択
- 表示された「データベースのバックアップ」ダイアログで「バックアップの種類」に「完全」を指定し「OK」ボタンをクリック
ちなみに、バックアップ先は複数定義しておけるが、どれかにバックアップを取るというのではなく、冗長構成のためのものと思われる。なので、ここでいくつ場所を指定しても論理的には1つのバックアップと扱われるようだ。
ちょっと調べてみたが、バックアップ先に複数ファイルを指定できるのは冗長化のためでは無さそう。 冗長化には「MIRROR TO」句が別途用意されている。(GUIでは見当たらない)
じゃあ何のため?となるのだが、これがまたさっぱり説明がない。一応メディア セット、メディア ファミリ、およびバックアップ セット (SQL Server)にトピックはあるのだが、いつもの通りもともと判っている人以外には理解ができない説明。
あとは想像するしかないのだが、今となっては使わなくなった「テープ」向けの機能かな?と思ったりする。テープの場合は必ずしも1本で完結するわけではないだろうから複数メディアで論理的なメディアを構成する仕組みも必要になりそうだ。
DISKの場合はFatの時代でもないので制限もないだろうから、ここでの複数指定は不要な機能と判断した。 - 「正常」表示されればバックアップは完了
- テストのためにDBを展開し、テーブルのデータを削除してみる(ここではNorthwndの「Order Details」テーブルを全件削除)
- Selectして0件になったのを確認する
リストア
- 「SQLServer Management Studio」を起動
- 復元対象のDBを右クリックし、「タスク」「復元」「データベース」をクリック
- 「データベースの復元」ダイアログが表示されたら「復元するバックアップセットの選択」から完全バックアップが選択されているのを確認して「オプション」ページをクリックする。
- 「オプション」ページの「復元オプション」で「既存のデータベースを上書きする」をチェック、「ログ末尾のバックアップ」で「復元の前にログ末尾のバックアップを実行する」のチェックを外して「OK」
- ここで、以下のように「クエリエディタ」が開いているとエラーになるので全て閉じておく
- 以下のダイアログが表示されれば「OK」
- 「Order Details」テーブルを開きデータがリストアされているのを確認する
BACKUP/RESTOREステートメントによるバックアップと復元
GUI操作ではなくSQLステートメントを使用してオンラインバクアップを実行する場合には「BACKUP DATABASE」ステートメントを利用する。
リストアするときは「RESTORE DATABASE」ステートメントを利用する。
バックアップ
Northwndデータベースを「D:\data\SQLServer2012\OnlineCmdBkup\Norwhwnd.bak」にバックアップしてみる
backup database NORTHWND |
ちょっと話がそれるが、このときバックアップファイルに対して「MSSQLSERVER」サービスからのファイルアクセス権が必要になる。
ということで「MSSQLSERVER」がどんなサービスアカウントで実行されているか確認してみると以下のようなちょっと見慣れないアカウントで実行されていた。
これは「NT Service\サービス名」というアカウントで2008R2あたりから導入されている「仮想アカウント」と言うものらしい。
基本的にはこれまでの「Netowork Service」と同様のアカウントだが、どのサービスで使われているのか素性を明らかにするために名前にサービス名を含むようにしたらしい。
また、ドメインアカウントが必要な場合は「管理されたサービスアカウント」なるものが使えるらしい。
こちらは、パスワードを自動管理してくれる対話ログオンを許さないサービス専用のアカウントみたいな感じ。
サービスアカウントの新機能 « MCTの憂鬱
もとに戻って、バックアップが取れたので先ほどと同様に「Order Details」テーブルを全件削除してリストアをテストする準備をしておく。
リストア
先ほどのバックアップからコマンドでリストアする
USE master |
「Order Details」テーブルを開きデータが戻っているのを確認する。
なお、リストアするときに排他アクセスできない場合は以下のコマンドでシングルユーザーモードにして他の接続を強制的に切断する。
-- データベース接続を強制終了する場合 -- 確認 -- 戻す |
スクリプト(BACKUP/RESTORE)の生成機能
- 「SQLServer Management Studio」を起動
- 「オブジェクトエクスプローラ」で対象のデータベースを右クリックして「タスク」「バックアップ」を選択
- 「データベースのバックアップ」画面で「スクリプト」メニューをドロップダウン
- いずれかの保存メニューをクリックするとバックアップのコマンドが生成される。(ここでは新規クエリウィンドウに保存)
スケジュール設定によるバックアップの定期実行
定期実行
- 「Win + R」で「ファイル名を指定して実行」を開き「services.msc」で「サービス」を開く
- 「SQL Server エージェント」サービスが実行されているか確認する。(定常的に使うのであれば「スタートアップの種類」を「自動」にしておく
- 「SSMS」で「SQL Server エージェント」を展開し、「ジョブ」フォルダの右クリックから「新しいジョブ」をクリック
- 「新しいジョブ」ウインドウで「名前」に任意の名称を指定して「ステップ」をクリック
- 「ステップ」ページで「新規作成」ボタンをクリック
- 「新しいジョブステップ」ページで「ステップ名」に任意のステップ名、「種類」に「Transact-SQLスクリプト」、「コマンド」に以下のテスト用バックアップコマンドを指定して「OK」
BACKUP DATABASE Northwnd
TO DISK = 'D:\DBBackup\test\Northwnd.bak'
- 「新しいジョブ」に戻ったら「スケジュール」を選択したのち「新規作成」ボタンをクリック
- 表示された「新しいジョブ スケジュール」で実行したいスケジュールを設定して「OK」
- 「新しいジョブ」へ戻って「OK」
- 指定したスケジュールでバックアップが実行されるのを確認する
ジョブの手動実行
スケジュール下ジョブは手動で実行することもできる。
- 「SSMS」「オブジェクトエクスプローラ」で「SQL Server エージェント」「ジョブ」から登録したスケジュールジョブを右クリックして「ステップでジョブを開始」をクリック
- 本来は「XXXXX…」なのでいきなり実行されないはずだが、お約束違でジョブがいきなり実行される。以下の「成功」が表示されればOK。
- 実行結果を確認するには同様にジョブを右クリックして「履歴の表示」を選択
- 実行結果やメッセージなどが確認できる
バックアップセットとは
SQLServerのバックアップでは、1つのバックアップファイルに複数世代が追加されてバックアップされていく。
これを「バックアップセット」と呼んでいて以下のコマンドでセットを確認できる。
RESTORE HEADERONLY FROM DISK = 'バックアップファイルパス' |
また、それぞれのバックアップセットを区別しやすくするために「名前」や「説明」を付加しておくことができる。
コマンドではこんな感じ。
BACKUP DATABASE Northwind |
「N」指定が必要みたい。
BACKUP DATABASE Northwind |
複数バックアップ セットがある場合のリストア(FILE オプション)
同じファイル内に複数のバックアップ セットがある場合、そのままリストアすると一番古いバックアップが適用される。
リストアするバックアップの世代を指定するには「File」オプションでバックアップのセット(番号)を指定する。
以下の「Position」を指定すれば良さそう。
USE master |
FORMAT オプションでバックアップ ファイルのフォーマット
「BACKUP」コマンドに「FORMAT」オプションを付けて実行するとバックアップセットの中に複数世代管理するのではなく、常に最新のものが1つだけ含まれるようになる。
自習書的にはこれがお勧めとのこと。
確かに、MSDNドキュメントでは様々なオプションの組み合わせによる様々な手法が説明されているが、我々末端ユーザーからするとバックアップは安全確実なのが一番なので自習書に従いたい。
use NorthWind |
ちなみに、これをGUIからやるには「データベースのバックアップ」で「オプション」を選択し、「新しいメディアセットにバックアップし、すべての既存のバックアップセットを消去する」をチェックすればよい。
これはその下の「新しいメディアセット名」の指定が必要に感じられるが、指定しなければ既存のファイルがそのまま使われるようだ。
バックアップのファイル名に日付け/時刻を入れる方法
以下のSQLで「日付/時刻」をファイル名にしたバックアップファイルの作成が可能になる。確かに、バックアップセットに複数突っ込んでいくよりはこっちの方が間違いがなさそう。
--
っと思ったが、どうなんでしょうね。
一応この自習書は2012用なのだが、実際試していると過去バージョンの説明を単に持ってきている部分が多くちゃんと検証しているのかしらん?とも思える。
2012ではリストア時のデフォルトは最新バージョンのバックアップから戻すのがデフォルトに変わっているし、GUIでバックアップのタイムラインが確認できたりもするので、自前で古くなったバックアップを整理する作業などを考えると単一ファイルに突っ込んですべてsqlserverにお任せするのもありかなと思う。
--
USE NorthWind |
ちなみに、こういう日付を扱うような場合は「PowerShell」の方が簡単
$now = (get-date).ToString("yyyyMMddHHmmss") |
バックアップ圧縮
SQLServer2008から提供されているバックアップ圧縮機能。
バックアップおよびリストア時の読み込み・書き込み量を減らせるのでパフォーマンスが向上するらしい。当然バックアップディスクの容量も減らせて良いこと尽くし。
デメリットは若干のCPU使用率のUPだがそれほどでもなさそう。
圧縮してバックアップするには「オプション」で「圧縮」を指定すれば良い。
実際にバックアップされたファイルサイズを見てみると約5倍程度の違いが出ている。
コマンドでバックアップするには「COMPRESSION」オプションを指定すれば良い。
BACKUP DATABASE Northwind |
ちなみに、個別に圧縮指定をしなくてもデフォルトで圧縮バックアップにすることもできる。
なお、リストアについてはバックアップファイルの圧縮・非圧縮を意識する必要は無い。
トランザクションログの管理
ログの肥大化
デフォルトではハードディスクの空き容量がなくなるまでログは増え続ける。
ログが満杯になると、エラー「9002」が発生する。
ログの肥大化を抑止するには
- トランザクションログを定期的にバックアップする
- 普及モデルを「単純」にする
トランザクションログのバックアップを行うと使用済み領域を切り捨てることができる。
使用済み領域を切り捨てることによって、その部分が再利用可能になるので、それ以上の肥大化は防げる。
ただし、ファイル自体を縮小するわけではないので、一旦拡張されたファイルサイズはそのままになる。
ファイルサイズ自体を縮小したい場合は以下のコマンドで。
DBCC SHRINKFILE(論理名,縮小後のサイズ) |
縮小後のサイズは(MB)単位。
省略すると「初期サイズ」に戻るのかな。
ログの使用量を確認するには以下のコマンドで。
DBCC SQLPERF(LOGSPACE) |
0 件のコメント:
コメントを投稿